Thank you for asking me.

 ここでは、米国における「質問」についてお話しします。

先輩からのアドバイス

 米国に赴任したばかりの頃、現地に永住している日本人の方から、こんなアドバイスを受けたことがあります。「昔、ある大学教授のセミナーに参加したんですが、参加者の中に余りにもカジュアルすぎる格好で、ストローで音を立ててジュースを飲みながら、まあどう見ても真面目に聞いているとは思えない若い女性がいたんですよ。でも話が終わって教授が、Any question?と聞くと、なんとその彼女が真っ先に手を挙げて質問して、セミナーの中で教授がさんざん説明していたことを、教えてくださいって聞いたんです。こっちはさすがにいらいらして、内心『何だよ、さっきからずっとその話をしてたじゃないかよ。何を聞いてたんだよ。しょうもないな』と思っていたんですが、教授は開口一番、Oh, thank you for asking me.と言って、『僕の説明が悪かったかもしれないね。こういう説明の方が良いかな。』と、改めて説明を始めたら、それが見事な説明で、自分もきちんと理解できていなかったことがたくさんあることに気づいて、物凄く理解が深まったんです。この国ではね。『こんなくだらないことを聞くのは…』と思っても、絶対聞いた方が良いです。それで嫌がられることは絶対にありません。」

米国における質問

 これは、私にとって大変ありがたいアドバイスでした。どこに行っても、とりあえず何でも質問しようとしていたおかげで、たった2年間しかいなかった割には、非常に充実した勉強ができたと思います。ただ、セミナーやシンポジウムなどでは、先を争うように次々質問する米国人に割って入るのは容易ではありませんでしたので、そこは無理をするところではないかなと思っていました。米国人の話を聞くときは、日本で良くあるように誰も質問しないと、説明に不満があると受け取られて気まずい雰囲気になるから気をつけなさい、という忠告も何度か聞きましたが、幸いにして私はそういう気まずい雰囲気を一度も経験せずに済んだので、その忠告が本当かどうかは良く分かりません。

Thank you for asking me.

 さて、この「Thank you for asking me.」、とても便利な表現なので、是非ご活用ください。特に外国人にものを聞かれてとっさに言葉が出ないと悩んでいる方は、何を聞かれてもまず「Thank you for asking me.」と言うと決めておくと良いでしょう。とにかく最初の一言が出せれば、後は案外言葉が続くものです。それでもまだ心配なら、次の一言まで用意しておくのも一手です。

〇相手の言うことが聞き取れなかった時
 Thank you for asking me. But, sorry, I couldn’t hear you well. Could you say it again?
(ご質問ありがとうございます。でもあまりよく聞き取れなかったので、もう一度言っていただけますか?)

〇ほぼ聞き取れたもののとっさに答えられない時
 Thank you for asking me. Please let me think for a moment.
(ご質問ありがとうございます。少し考えさせてください。)

などと言えば、少なくとも事情を知らない周囲の日本人は、あなたが「英語ができる」と信じ込むこと、必定です。是非、お試しください。

次の記事にも英語表現の紹介があります。

ニューヨークの印象を聞く表現
How do you like New York?
英語での「建前」に関する表現
Technically-本音と建前
相手の理解を確認する表現
分かりますか?
感謝の表現
英語での感謝の言葉いろいろ
接続詞の使い方
However/But/Thoughの使い分け
「誰が気にするのか」という表現
Who Cares?

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