Technicallyー本音と建前

1. 渡米前に抱いていた「米国人=本音」イメージ

 米国人は一般に率直で自己主張が強く、日本人のように本音と建前を使い分けることは少ないという認識は、広く共有されているのではないかと思います。常に本音と建前を使い分けるのが日本人の特徴で、だから日本人は何を考えているか良く分からないという批判も、何度も聞いた記憶があります。もちろん、そういう見方は一種のステレオタイプで、必ずしも両国民に対する適切な理解とは言えないだろうけれども、まあ、大筋においてそういう傾向はあるのかもしれないな、と渡米前の私は思っていました。

2. “technically” との出会いが教えてくれたこと

 だからこそ、実際に米国に来て、米国人がtechnicallyという単語を次のように使うのを知ったときは、ちょっとした発見をした気分になりました。

The decision was made technically based on the consensus of all the members but actually very few people knew what was to be determined before the decision was opened.

 どういう意味か分かりますか?technicallyには、決定は全員の合意に基づいて行われたけれども、actuallyには、発表前に何が決めれられようとしているのか知っている人はごく僅かだったということなので、次のように訳すのが妥当です。

この決定は、建前としては、全員の合意に基づいて行われたことになっているが、本当のところは、発表前に何が決められようとしているかを知っている人はごく僅かだった。

3. 米国にも本音と建前は確かに存在する

 ものの見事に本音と建前の表現になっているのがお分かりになるかと思います。世の中が額面通りには動かないのは、日本でも米国でも同じです。そして、社会を円滑に運営していくために、ある種の欺瞞や隠ぺいを上手に使わざるを得ないところも、日米で違いはありません。しかし、それを必ずしも良いことだと思っていないことも、米国人と日本人とで違いはありません。

5. “technically” は大人の英語の便利ツール

 少し難しいかも知れませんが、このtechnically、使い方を覚えるとなかなか便利です。次のような反応ができたら、英語上級者の域に入るでしょう。下の “Well, technically,” は、「建前としてはね」というニュアンスを柔らかく伝える便利な表現です。

 Who is responsible to this project?
 Well, technically, it is Mary.
(この仕事の責任者は誰?メアリーだよ、まあ、建前としてはね。)

次の記事にも英語表現の紹介があります。

ニューヨークの印象を聞く表現
How do you like New York?
相手の理解を確認する表現
分かりますか?
感謝の表現
英語での感謝の言葉いろいろ
接続詞の使い方
However/But/Thoughの使い分け
「誰が気にするのか」という表現
Who Cares?
質問に対応する表現
Thank you for asking me.

5月の1Dayセミナーの募集は終了しました             


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です