ウェス・ムーア氏の講演

 滞米中、地方関連団体の全国大会で、2026年4月現在メリーランド州知事を務めているウェス・ムーア氏の講演を聞く機会がありました。当時はまだ知事就任前で、出版した自伝「The other Wes Moore」がベストセラーになった作家として招かれており、自伝に綴られているような自らの経歴と自伝出版前後の事情などについてのお話が中心でした。

Who cares?

 話が出版社とのやりとりに及んだ時ムーア氏は、実は出版社から「本の中身はあなたのものだけれど、本の表紙は私たちのものだ。表紙は本を売るために存在するので、私たちの思い通りにさせてもらう。」と告げられたのだと明かしました。従って、本のタイトルも表紙に表記される以上、著者ではなく出版社が決めると言われたそうです。そして、「The other Wes Moore」というタイトルを告げられた時、「さすがにそれはないんじゃないか」と思ったとムーア氏は言います。というのも、自伝を出版するまでムーア氏は一軍人でしかなく、自分の名前なんか誰も知らないと思っていたからです。その時内心思ったことについて、こんな風に表現しました。

 No one knows Wes Moore. Then, who cares about “the other Wes Moore”?
(誰もウェス・ムーアなんて知らないんだ。誰が「別のウェス・ムーア」に構うっていうんだ。)

ジョークは難しい

 ムーア氏の言い方が滑稽だったこともあって、会場がどっと笑いに包まれました。私も大声で笑いました。実は、ジョークで笑うというのはなかなか難しく、私も最後までうまくできなかったことの一つです。一つには、思いがけないタイミングで低くつぶやくように言われることが多い(元国務長官のマイク・パウエル氏の講演が正にそうでした。)ので聞き逃しがちなのと、米国人と日本人の笑いのツボが違うので、全然面白いと思わないことに米国人がどっと笑って初めてジョークだったと気づくことが多いからです。でも、この時は米国人やゲストで来ていた他の国々の人たちと一緒に大いに笑うことができました。

使ってみましょう

 さて、それはさておき、この“Who cares?“も使ってみると、表現の幅が広がるかもしれません。“Who cares?” は「そんなのどうでもいい」という軽い自嘲から、「誰が構うものか」という強い否定まで幅広く使われます。どちらかと言えば強い表現で、穏やかな物言いとは言い難いですが、例えばこんな風に使ってみるのは良いかもしれません。

 Never mind! Who cares about your small misjudgment?
(気にするなよ。誰が君の小さな判断ミスなんかに構うものか。)

次の記事にも英語表現の紹介があります。

ニューヨークの印象を聞く表現
How do you like New York?
英語での「建前」に関する表現
Technically-本音と建前
相手の理解を確認する表現
分かりますか?
感謝の表現
英語での感謝の言葉いろいろ
接続詞の使い方
However/But/Thoughの使い分け
質問に対応する表現
Thank you for asking me.

5月の1Dayセミナーの募集は終了しました             


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です