ヨーロッパ言語を習得するときに。形容詞・副詞の比較級と最上級は避けて通れません。ここでは、諸言語の比較級にまつわるお話をします。
英語とロマンス語の比較級の共通点
比較級・最上級については、非常に興味深い現象が見られます。ご存知のように英語の場合、一音節の単語と二音節以上の単語で、比較級・最上級の作り方が違っています。この内、規則性の高い二音節以上の単語の場合
(原級)interesting (比較級)more interesting (最上級)the most interesting のようになります。スペイン語、フランス、イタリア語も同様の方式です。
フランス語:(原級)intéressant (比較級)plus intéressant (最上級)le plus intéressant
スペイン語:(原級)interesante (比較級)más interesante (最上級)el más interesante
イタリア語:(原級)interessante (比較級)più interessante (最上級)il più interessante
また、スペイン語とイタリア語には、比較というより「すごく〇〇だ」という意味になる絶対最上級という形があって、スペイン語interesantisimo、イタリア語interessantissimoとなります。
ラテン語の比較級・最上級
さて、ラテン語です。ラテン語にはそもそも冠詞がありません。比較級・最上級も語形変化で表すことになり、次のようになります、
ラテン語:(原級)jucundus (比較級)jucundior (最上級)jucundissimus
最上級の形が、スペイン語とイタリア語の絶対最上級に引き継がれているのは見やすいと思いますが、問題は比較級の語尾-orです。比較級にこれと最も近い語尾を持つのは、英語の一音節語(cold→colder)です。これは偶然ではなく、英語もラテン語も印欧語族に属し、比較級語尾が共通の祖先に由来するためだそうですが、ラテン語の直系の諸言語よりも英語の変化の方がラテン語に似ているのは、実に興味深い現象だと思います。
「良い・悪い」は全言語で不規則
さて、比較級・最上級に不規則変化があるのも各言語共通で、特に「良い・悪い」については、全ての言語で不規則変化です。
英語:good, better, the best / bad, worse, the worst
フランス語:bon, meilleur, le Meilleur / mauvais, pire, le pire
スペイン語:bueno, mejor, el major / malo, peor, el peor
イタリア語:buono, migliore, il Migliore / cattivo, peggiore, il peggiore
ラテン語:bonum, Melius, optimum / malum, peius, pessimum
お気づきでしょうか。ラテン語のそれぞれの最上級、optimumとpessimumこそ、オプティミズム、ペシミズムという言葉の起源なのです。
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